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背を伸ばすことの難しさ
身長を伸ばすということ - 挫折 - 戻ろうとする身体 - それでも変えたいという決断


では、なぜ身体を変えることは 難しい ことなのでしょうか。

身体は、日々、細胞が入れ替わっています。全身の細胞は、場所によって差はありますが、半年で大部分が入れ替わっています(骨はさらに長期間かかります)。なのに、成長期を終えた人の姿というのは、まったく変わりません。身体が同じ形を維持しようと再生を繰り返すからです。

ということは、どんなに伸ばそうと腕や、脚を引っ張っても、身体は基の形を維持しようとして、伸びてくれないということなのです。現に私は、身長を伸ばす矯正器具で来る日も来る日も身体を引っ張りましたが、一向に伸びない時期がありました。あるのは引っ張るときの痛さ、苦しさだけでした。矯正器具を使ったことのあるほとんどの人が、おそらくこの経験をしていると思います。

実は、これは当然のことで、身体を無理に変化させようとしたところで、それは 「危険信号」 と見なされるからです。全身をコントロールしているのは、もちろん脳ですが、その脳の中には、今の身体の形の地図があります。それを元に全身のバランスをとったり、正しく動作をすることができるのです。

無理に身体の一部を引っ張ったところで、脳は、「そんなことをしたら今の身体のバランスが崩れてしまう!」「この状態が崩れてしまっては運動もできなくなる!」 という拒否反応で対抗します。そして、この拒否反応というのは、意識で簡単になんとかできるレベルのものではありません。生物としての深いところにある安全装置と言えばよいでしょうか、身体の形を維持して、いつもと変わらず日々の行動を可能にするために、なくてはならないものだからです。

成長期を過ぎた今、あなたの身体の形というのは、立ったり、歩いたり、走ったり、といったすべての動作の基本となる形です。同時に、今のあなたの姿勢というのは、あなたの身体を支えるために一番安定して、楽な姿勢になっています。身体の形というものは、単に「肉体の形」ではなく、あなたの動作そのものでもあり、今の あなた自身そのもの なのです。長年この身体で生きてきたのですから当然のことです。

成長期を過ぎた身体というのは、何が何でも今の形を維持しようとします。それゆえ、本当の意味で身長を伸ばすためには、単に食事や睡眠に気をつけ、漠然と運動をしたところで、駄目だということなのです。
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